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吉田 勝; 浅野 雅春; 嘉悦 勲; 中井 克幸*; 山中 英寿*; 鈴木 孝憲*; 志田 圭三*; 鈴木 慶二*
Biomaterials, 4, p.33 - 38, 1983/00
被引用回数:17 パーセンタイル:68.39(Engineering, Biomedical)長期間にわたって緩徐な薬物溶出性能をもつ複合体を低温過冷却状態においてガラス化性モノマーの放射線重合によって試作した。複合体からのTSSのin vitro溶出はmatrix-controlled processに従うことが見出された。この場合、drug deliveryの速度は担体の親水性に依存し、含水率が増加するほど増加した。in vivo実験の場合、複合体は30日間の試験期間にわたって去勢したウイスター系ラットの背中の皮下に埋入した。TSSのin vivo速度はin vitroのそれに比べ抑制された。この抑制作用は担体の親水性とよく対応していることが分った。一方、ラットにおける生理学的機能はTSS包含複合体を用いて前立腺腹葉の重量およびserum中の薬物濃度を測定することにより検討した。前立腺腹葉の重量は薬物の溶出速度の増加に伴ない直線的に増加する傾向を示した。またserum中の薬物濃との間にもよい対応関係が認められた。さらに担体自体の生体適合性に関する評価も試みた。
吉田 勝; 浅野 雅春; 嘉悦 勲; 中井 克幸*; 山中 英寿*; 志田 圭三*; 鈴木 慶二*
医学のあゆみ, 122(2), p.103 - 104, 1982/00
テストステロン(T)含有ポリマーマイクロスフィア(PMS)を低温放射線サスペンジョン重合によって試作した。分散保護剤にPVAおよび-グロブリン(GB)を使用した。PMSの粒度分布をcoulter counterを用いて測定したところ、PVAを用いた時は150m付近に極大値をもつ比較的シャープな粒度分布を示すのに対し、GB系では極大値が小粒子側に移り(90m付近)、その分布はブロードであった。GB系におけるPMSからのTの溶出量は30日目でin vitroが19.8mg、in vivoが9.9mgであった。in vivoにおける薬物の溶出抑制は粒子表面に粘着した生体細胞によって拡散抵抗が増大したためと思われる。このPMSから放出されたTの生物学的作用(physiological response)は四中濃度および前立腺腹葉の重量変化を測定することにより検討した。その結果、本研究に用いたPMSは30日以上にわたる薬物の溶出性能と薬理作用をもっていることが分った。また、同時に素材の生体提合成についても評価を試みた。